提携の概要と目的
農林水産省によると、2020年の農業従事者の平均年齢は67.8歳で、65歳以上の高齢者が全体の7割近くを占めています。また、2005年には200万人の経営体が存在していましたが、2020年時点では107万人と半数近くまで減少しています(※農林水産省HP:農業労働に関する統計)。その主たる理由のひとつには後継者不足が挙げられており、日本の農業における深刻な課題となっています。
一方で、農業承継は買い手側にとって、初期投資を抑え、蓄積された経営資源やノウハウを活かして農業経営に活かせるメリットがあり、新規参入が難しいとされている果樹や酪農なども開始しやすいと言われています。
事業承継マッチングプラットフォーム「relay」では、従来M&A仲介事業者では扱われてこなかった農業の第三者事業承継のマッチングにも取り組んでいます。relayの後継者募集案件のうち農業では29件の公募実績があり、これまでに5件の成約実績をあげています(2023年10月3日現在)。
JA三井リースは、農林水産業の発展を支える農林中央金庫と、グローバルにビジネス展開をする三井物産を主要株主とした総合リース会社です。国内トップクラスの農機具リース事業に加え、中古農機の買取・査定事業により、事業承継のサポートを行なっています。
このたびの提携では、relayの譲渡者(売り手)がJA三井リースの機能を活用することにより、後継者募集とは別に所有する農機具の査定を行い、JA三井リースを介しての売却や、承継者へのリースを行うことが可能になります。後継者と農機具購入者を分けることで承継のハードルが下がり、早期の成約や入金が期待できます。また、JA三井リースのお客さまに対しては、営農規模の拡大や新規事業に繋がるrelayの後継者募集案件のご紹介を行い、高い成約率を目指してまいります。
relayの承継者(買い手)は、農機リースを活用することにより、新たに農機具を購入するよりも初期費用を大幅に抑えることが可能になります。また、営農規模を拡大したい場合にも、relayのマッチングプラットフォームとJA三井リースの農機リースをあわせて活用することで、試験的な運用ができたり、手間とコストを抑えたりすることが可能になります。
これにより、使われなくなった農機具が売却およびリースされて利活用に繋がり、設備にコストがかかる継農・就農開始時のコストを抑え、農業の第三者事業承継を促進してまいります。
後継者募集と農機具売却およびリースに関するお問合せ
6月に開催したJA三井リースとrelayによる「農業の事業承継」をテーマにした共催セミナーでは、100名を超える皆さまにお申込みいただきました。
セミナーでは、後継者募集事業者の皆さまにも登壇いただき、「事業承継がより現実的になった」「(後継者募集をしている)事業者の皆さんの生の声は大変役立った」との声をいただいております。relayでは引き続き、JA三井リース様と共に循環型経済社会の構築を目指し、様々な取り組みを行ってまいります。
事業承継マッチングプラットフォーム relay(リレイ)について https://relay.town/
事業を譲り渡したい経営者と事業を譲り受けたい後継者候補をWeb上でマッチングさせるサービスです。
従来、社名や企業情報が伏せられてきた事業承継のマッチングをオープンネームで行い、どんな想いで企業や店舗を運営してきたか、オーナーの横顔を含めた想いを記事化し、後継者候補を広く公募します。これまでのマッチングでは、「買い物に訪れていた小さなパン屋のファン」や「カフェを経営したい夢を持つ夫婦」が後継者となる第三者事業承継を実現。買い手が売り手の事業と想いを深く理解できる、商談率・成約率No.1※の事業承継マッチングプラットフォームです。経済産業省による「J-Startup KYUSHU」選定企業。令和4年度から2年連続で経済産業省の地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業にも採択されています。
※デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「国内ビジネスマッチングプラットフォーム市場の現状と展望【2022年版】」(mic-r.co.jp)